Plan 9 from Outer Space[1959]
監督 エド・ウッド
脚本 エド・ウッド
出演 グレゴリー・ウォルコット
モナ・マッキノン
デューク・ムーア
トム・キーン
トー・ジョンソン
ベラ・ルゴシ
Z級映画で有名なエド・ウッド監督の1959年の作品。アメリカ映画史上でももっとも最低の映画に選ばれている。 据え置きカメラが画面を澱ませていて、演出の妙といったものを全く感じさせない。脚本にも頭を使った形跡が無く、「特撮」はあざけ笑う意外にすることもありません。毎度おなじみのベラ・ルゴシはワンシーンのみの出演で、もうひとつのお約束である雷もマンネリ感を更に高めています。もっともひどいのは訪問者(宇宙人)の円盤の中の内装と円盤自体の出来です。言い出すとあれもこれも酷い物のオンパレードです。無理やり良さを見つけようとすると、落ち目のベラ・ルゴシやトー・ジョンソンを律儀に使い続けていくエド監督の思いやりくらいかも。 良い映画を作ることはとても難しく全ての監督を苦しめますが、反対に最低の作品を真剣に作ることも、とても難しい。どうやったら映画はひどくなるのか。エド・ウッドは全ての彼の作品でそれを成し遂げているのです。『死霊の盆踊り』『グレンとグレンダ』『怪物の花嫁』そしてこの作品。 見て得は全くありませんが、これもまた栄光のアメリカ映画史の一部です。とにかくひどい。笑わしてくれたこと、そして「人の振り見て我が振りなおせ」のことわざがぴったり当てはまることを示してくれたことが唯一の功績です。真面目に作っているのに救われない。エド・ウッドを象徴する一本でした。